「志」を大切にしたものづくり。 形状が複雑なものも組立まで対応。

●会社紹介

1970年に横浜市戸塚区上倉田町にてプレス加工を主体に創業し、綾瀬市に移転してからは多種少量生産の対応と自動化ラインの整備などを進めました。ワイヤー放電加工機（2013年）、立型マシニングセンター（2015年）、250t・300tのプレス機を導入し、茨城工場を稼動させ事業を拡大してきました。現在、幅広い業種のお客様とお取引し、多種多様な部品のプレス加工、組立、金型設計・製作等を一貫して生産しています。

創業から2000年頃まで弊社はメーカーの下請けとして一社に依存する経営でしたが、現在の2代目社長の就任をきっかけに、特定の取引先に依存せずに分散する経営へと舵を切りました。「製造業はサービス業」という理念を掲げ、いままでリスクが高く、断っていたような難しい部品加工も積極的に受入ました。やったことがない、図面がない、どうつくっていいか分からないといった否定的な考えを改め、「面白そう」「やったみたらできそう」と挑戦する姿勢を大事にしました。この結果、新規の仕事が増え、１社あたりの占有率は下がり、経営リスクを回避することができました。

●事業の特長

【工場】
弊社には営業部門がなく、取引先に営業をかけることもありません。ではなぜ新規の仕事を増やすことができたのか、その要因は「工場」にあります。新規のお客様は、必ず弊社の工場に足を運んでいただき、加工の精度、技術・品質の高さ、従業員のやる気の高さ等を実際に見ていただきます。こうした活動が評判となり、クチコミとして綾瀬市工業団地内に広がり、取引先拡大につながっています。

【設備】
特徴的な設備として、200t順送プレス(サーボドライブプレス）および単発プレスは合計51台（35t～300t）、バリ取り機（1台）を導入しています。各設備の中でも、プレスラインサイドに自動倉庫（保管パレット数139パレット、保管金型数約400型）を設置し、段取時間短縮を実現していること。これにより、金型整理及び格納効率向上、および安全性が向上しました。

【アセンブリ】
弊社は現在、金型の製作からプレス加工・組立までの一貫生産体制を構築していますが、このきっかけになったのがアセンブリです。部品の板金加工だけでなく、組立まですべてに対応することで、完製品に求められる精度や品質を把握し、部品の形状や加工方法について、弊社からの「提案」が可能となりました。これにより、お客様が要求する品質や目標とするコストに近づけて提案し、製作することができました。

【意欲的な人材】
何より弊社が大切にしているのは、従業員のものづくりに対する「志」です。志が高い人ほど「面白いものを作りたい」といった欲求、未知の挑戦であっても自ら学ぼうとする姿勢を持っています。技術はあくまで手段。「ものづくりとは形のないものを形にすること」だと弊社では考えおり、難しい課題はみんなで知恵を出し合って解決しています。

●その他活動・今後の展開

弊社スタッフの年齢は18歳から81歳まで幅広く、パート従業員まで含めると約100名のスタッフが在籍しています。その半数は外国籍であり女性の従業員です。外国人女性たちはブラジル、タイ、中国、ベトナム、ペルーからやってきた人たちで、ハングリー精神、向上心の高い人材です。こうした外国人女性パートの積極的な活用、モチベーションの向上により、現在のフレキシブルな生産体制を築くことができました。
なお、外国籍人材の雇用については、長期帰国後の復職制度を設けたり、工場内や指示書にイラストやひらがなを意識的に使うことで、日本語が苦手な人でも能力を活かして、働きやすい環境を整えています。
こうした人材の採用・育成活動が評価されて、2019年に経済産業省「地域未来牽引企業」に選定されました。さらに、2021年「かながわSDGsパートナー」に登録されました。